Vol.21 ゴールベース・コンサルティング & ゴールベース経営計画(2019.10.19)

『ゴールベース法人取引』 

昨年、自身3冊目の書籍となる『ゴールベース 法人取引』を上梓しました。 

地域金融機関むけの本にもかかわらず、東京の八重洲ブックセンターでビジネスベストセラー 1位を1週、経済・経営ベストセラー1位を2週、 獲得するという珍しくも嬉しい実績を残せた本です。

行き過ぎた短期志向への問題意識

この本を書いた背景には、世の中のすべてが、 短期的な結果・成果を求めすぎる風潮への違和感と危機感があります。もちろん、短期的な目線も大事です。しかし、そのために本質的で腰を据えて取り組むべきことが疎かになっているのではと問題意識を持ちました。 

地域金融機関とお客様も、かつては⻑い目線のなかで関係を築きあげていたはずです。しかし、 とりまく環境が厳しさを増すにつれ、目先の取引に意識が行き過ぎてしまい、結果として地域金融機関とお客様との心の距離が離れてしまっ たように見えています。 

だからこそ、今一度、「お客さまに寄り添い、 企業や経営者の夢(=ゴール)の実現を応援する」という地域金融機関として「当たり前」のことに向き合って欲しいと思い書き上げました。 

経営者の「ゴール」を理解しているか 

営業担当者が、お客様の理解を深めるうえで、 まず把握すべきは「課題」ではなく、「経営者 がこの企業をどうしたいのか」という夢であり、 ビジョンのはずです。そのうえで、「課題」の 把握へと続きます。 

では、現時点でどれだけの営業担当者が、担当するお客様の夢・ビジョンを把握できているでしょうか。本ニュースレターVol.2『事業性評価 「シート」に思うこと』で指摘したとおり、事業性評価シートの構成からは、経営者の夢やビジョンを、(「課題」よりも)大事な項目として理解しようとする意思があまり伝わってこないので不安があります。 

いずれにしても、現状はどうであれ、今後は、「夢」や「ビジョン」「ありたい姿」等、表現はなんでもいいですが、目指す姿(=ゴール) を理解したうえで、それを起点(ベース)としてお客様に寄り添い、ゴールの実現を応援することが当たり前になって欲しいと願っています。 

ゴールベース法人取引

ゴールを起点とするのは本来「当たり前」 

さて、ここからが今回の本題です。 

「目指す姿」(=ゴール)を見据えたうえで、 それを起点(=ベース)に何かを考えたり、おこなったりするのは、営業担当者の動き方に限った話ではありません。万物共通とは言い過ぎですが、多くの領域に当てはまります。 

「今の中計期間中に、営業人員を20%増やそ う」というゴールがあるから業務改革プロジェ クトが組成され、「意欲あり実績をあげた職員にしっかりと報いたい」というゴールがあるから人事制度改定が行われ、「次回の常務会でこの案件の承認を得たい」というゴールがあるから入念なる事前の根回しが行われ、「今晩は大事な飲み会があるから残業は絶対にしない」と いうゴールがあるから日中に高い集中力で仕事 に励みます。すべてゴールベースです。 

私の本業であるコンサルティングにおいても同様です。目先のテーマに対処する前に、どういう姿になりたいのか(=ゴール)の理解が不可欠です。経営計画の策定においても、戦略を考える前に、ありたい姿(=ゴール)の明確化・ 理解が先にきます。

商標登録  

『ゴールベース法人取引』の執筆を機に、私のなかでゴールベースという概念が明確で色濃いものになっていきました。短期的な結果・成果を求めすぎる風潮のなかで、ゴールベースの考えを大事にし、「当たり前」のものとして育てたいという思いが強くなり、「商標登録」へのチャレンジを思いつきました。 

自分でどこまで出来るかの好奇心もあり、弁理士さんを使わずに自力で商標出願をしたのが今年の1月です。出願したことすら忘れかけていた先日、 「登録査定」(=審査通過)の結果を受け取るこ とができました。登録のための費用(いったい何の対価なのか疑問もあるのですが合計で112,800 円/10年でした)も払い込んだので、晴れて 

  • 「ゴールベース・コンサルティング」 
  • 「ゴールベース経営計画」

2つを、弊社BRAVEYELLで商標保持する運び となりました。

ちなみに、商標登録はしましたが、独占利用するつもりは毛頭ありません。志を同じくし、お客様の夢やビジョンの実現にむけて、本気で寄り添っ ていく地域金融機関や人たちと一緒に、「ゴールベース・コンサルティング」「ゴールベース経営計画」を大事に育てていきたいと考えています。 もしご関心あれば、連絡ください。 

ゴールベースという言葉を使うか、使わないかは 本旨ではありません。お客様のゴールの理解が当 たり前となり、実現にむけ寄り添うことで、⻑期 的な関係の再構築が進むことを望んでいます。 

以上、髙橋昌裕からのYELLでした。