運⽤系商品の提案をうけた
2⽉〜3⽉にかけて、期末営業目標の追い込み時期だからか、⽴て続けに3つの⾦融機関(メガバンク1+地⽅銀⾏2)の⽅から、運⽤系商品の提案をうけました。
私は、2000年にソニーの株を、忘れもしない10,000円/株で買って以来(2012年には700円台/株にまで⼤暴落。2020年ついに10,000円まで回復。持ち続けていて良かった)、20年以上にわたって株・投資信託・外貨預⾦などの運⽤には手を出しています。そのため「自分でいろいろとやってきているので、提案いただいても買うことはないと思いますよ」とお伝えしたのですが、それでも提案を聞いて欲しい、というのでお会いしました。
話を聞いたところ、3名が勧めてくれた商品はどれも内容に⼤差はなく、すでに私が保有しているタイプのものです。しかし、当初の思惑に反して、運⽤系商品を1つ買うことにしました。
良い商品を勧めている自信はあるか
受けた印象は、3名中2名は想像通りです。
目標を達成したいという「真面目さ」が背景にあり、一所懸命に商品説明をしてくれました。
しかし、パンフレットに記載されている以上の魅⼒は、伝わってきません。「負け癖」「断られ癖」がついてしまってるのか、どことなく自信なさげでした。そして何よりも気になったのは、「心から私にあった商品を勧めてくれている」という⼒強さを感じなかったことです。本心ではセールス活動をしたくはないんだろうな、という雰囲気も感じとりました。
仕事柄、背景にある事情はよく理解していますが、やはり残念なことです。
魅⼒が伝わってきた⼒強い提案
ところが、残る1名は印象がまるで違いました。
商品知識が抜群とか、セールス話法に⻑けているといった、テクニカルなことが要因ではありません。もっと根っこにある⼒、すなわち「自分が本当に良いと思う商品だから、自信をもって勧めている」という強さを感じたのです。そのため、他の2名と同じような商品にもかかわらず、魅⼒はしっかりと伝わってきました。
興味を惹かれたので話を聞いてみると、以前は、目標をクリアするために、本部から言われた商品をただ提案するだけで、「やらされ感」が強かったそうです。
しかし、あるときお客様に「あなたが勧めてくれている商品が、いい商品なのかは分からない。でも、あなたを信⽤してるから」と言われ契約をいただき、ハッとしました。もちろん、悪い商品を提案しているつもりはありません。しかし、自分が心から良いと思うほどの、強い思い⼊れまでは持てていないと気付いたそうです。そこで、彼⼥なりに商品のことを調べ、その商品が必要とされる背景を勉強し、お客様の人生・生活にどういう意味を持つのかを考えてみました。その結果、自分のなかで「本当に良い商品だから、お客様に紹介するのは、お客様のメリットになる。むしろ、もしお客様が知らないままだったら、それは申し訳ないこと」とまで考えるようになったそうです。
なるほど、提案を聞いて⼒強さを感じたのには、納得できる理由がありました。
提案してもらった商品とは別のものにしましたが、当初の思惑に反して運⽤系の商品を買ったのは、もちろん彼⼥からです。
商品に意義はある
釈迦に説法ですが、投資信託や生命保険など運⽤系の商品は、元本割れのリスクが伴います。
しかし、いまの時代、物価高傾向にあるので、預貯⾦とて「実態的には」元本割れとも言えます。円安傾向が続けば、円資産しか持っていないことすら、リスク要因になります。
だからこそ、運⽤系の商品には意義があります。
地域⾦融機関が運⽤系の商品を扱うことの是非という論点はここでは横に置き、扱うからには、目標達成のために「やらされ感」でセールスをするのではなく、「お客様にとって、選択肢の一つとして良い商品なので、心からお勧めしている」という溢れ出る自信がほしいです。
保障系の生命保険についても、将来の万一の際に、ご家族のお⾦面の不安軽減につながる「お客様にとって良い商品なので、お勧めしている」と自信をもった提案が必要です。
価値あることなので自信をもって勧めよう
結局のところ、銀⾏が個人顧客むけに扱っている商品は、お客様の「将来のお⾦の不安の軽減」か「夢の実現」のサポートであり、いずれも⼤きな価値があります。
価値があることなので、もっと前向きに取り組めるといいでしょう。その⽅が、働いていて楽しいです。また、価値があるからこそ、自信をもってお客様に伝えれば、魅⼒が伝わり、「将来のお⾦の不安の軽減」「夢の実現」に貢献できます。
ここでは個人顧客むけの話を書いてきましたが、法人顧客むけの融資や各種商品・サービスも考え⽅は同じです。現状把握をしたうえで、お客様のニーズ・実態にあったものである限りは、良い商品・サービスを勧めていると、もっと自信をもつべきです。
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お客様は、自信をもって勧めてくれた人から買ったほうが、自分の決断に安心できます。仕事に価値を感じ、自信をもってお客様に接し、自信をもって商品をお勧めできる人が増えることを願っています。
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以上、髙橋昌裕からのYELLでした。