Vol.29 新型コロナ禍での対応に頭が下がるばかりです(2020.5.5)

緊急事態宣⾔の延⻑

昨日(5/4)、新型コロナウィルスにともなう「緊急事態宣⾔」の延⻑が正式に発表されました。マスコミやネットを⾒ると、これまでの種々の対応について、不平不満を⾔っている⼈もいますが、誰かを責めても虚しくなるだけです。それぞれが、それぞれのポジションで最善の判断をしてると信じて、「想定よりも好転が早くなりました」「全員の頑張りの成果です」となるよう、頑張っていきましょう。私たちなら、やれば必ずできるはずです︕

皆さまの活動に頭が下がるばかり

経済に目を転じると、景気の急速な悪化は不可避であり、新型コロナによる倒産はもとより、事業の継続を断念し廃業を選択する経営者が増えてしまうことが危惧されます。
5⽉⼀杯の⾃粛というのは、その後の⽴ち上がりに要する期間も考えると本当にギリギリでギリギリでしょう。
そうした状況下、⾃らの罹患への恐れもあるなかで、存続すべき地元の企業を守るために、心が折れかけている経営者を勇気づけるために、地元に暮らす⼈の⽣活への不安を解消するためにと、日々活動をされている地域⾦融機関の皆さまには、頭が下がる思いしかありません。
まさに前代未聞の大変な対応が求められるなか、私はただ皆さまにエールをお送りすることしかできませんが、心から感謝と応援を申し上げます。

起きてしまったのだから活かす思考で

さて、どうしても時節柄マイナス思考になりがちではありますが、私は、心の師匠(メンター)の⼀⼈から、「起こったことは、すべていいこと」というマインドセットを授けられてきました。
新型コロナ禍も、起きてしまったのですから、(無理やりかもしれませんが)ポジティブに捉えてみませんか。

世間の目が変わった

今回の対応をキッカケとして、各地域において地域⾦融機関の必要性、⾝近さ、ありがたさが再認識されることは間違いないでしょう。
Beforeコロナ(BC)では、ややもするとマイナス面ばかりを強調されたマスコミ報道等をうけて、地域⾦融機関にはツライ状況もあったと認識しています。しかし今は、頼れる不可⽋な存在と誰もが認識しています。世間の目が⼀気に変わりました。

職員の前向きな思いに火が付いた

取引先の経営者に寄り添い、目先の資⾦繰りだけではなく、Afterコロナ(AC)を⾒据え⼀緒になって事業の今後を考える機会が増えました。
「経営者に寄り添う」「資⾦繰りを⽀える」「事業の今後を⼀緒に考える」、これらは地域⾦融機関に⼊った⾏(職)員が、やりたかったことそのもののはずです。親交のある中堅⾏員の⽅は「銀⾏に⼊って以来、今が⼀番、お客様のことを 真剣に考え、真正面から向き合えている。大変だけど、やり甲斐を感じている」と⾔っていました。
新型コロナが、⾏(職)員がもともと持っていた前向きな思いに火をつける機会を与えてくれた、と捉えることができるのではないでしょうか。

変化を遂げる千載⼀遇のチャンス

さらに、新型コロナは、地域⾦融機関⾃⾝の「非連続」な進化を遂げるチャンスになり得ます。
今は、緊急事態宣⾔下、これまでとは違う態勢(少ない⼈数・対面接触機会の低減、等)で業務を推進しています。新型コロナによって、いままでの当たり前(店舗・部署の⼈数、業務運営⽅法、業務プロセス、優先順位の判断etc)が、次々と壊れているはずです。
これは、BC時代に「変わりたいけど、変われない」という、地域⾦融機関が抱いていた悩みを、⼀気に解決するチャンスではないでしょうか。
BC時代は、皆さんが変えたくて仕⽅がなかったことが満載だったわけですから、間違ってもACに向けて、BCの状況に戻す思考にはならないでください。新型コロナは、銀⾏業務の進め⽅を爆発的に変える、⿊船級のインパクトを持っています。せっかくなので、良い⽅向に利⽤しませんか。

AC時代の地域⾦融機関

緊急事態宣⾔が解除されても、新型コロナの影響が⻑く続くのは間違いなさそうです。 ACと表現しましたが、実態はWithコロナであり、新型コロナと共存の世界を創っていくことが求められます。
すなわち、新型コロナに耐えながら不⾃由な日々を過ごすのではなく、新たな価値観・様式のもとで新型コロナがあるなかでもイキイキ・ワクワクできる日常を創っていく必要があります。AC時代は、BC時代とはガラッと世界が変わるでしょう(余談ですが、前述のメンターがWithコロナだと略称が「WC」となりトイレみたいなので、ACを使おうと提唱していたので倣いました)。
そんななかにあって、AC時代の地域⾦融機関はどのような進化を遂げるのでしょうか。業務の進め⽅といった狭い範囲だけでなく、もっと根本的・抜本的なものとして、AC時代の地域⾦融機関の姿を皆さんと⼀緒に考えていきたいと思っています。

いずれにしても、今は目の前のお客様を守るために全⼒で挑まれていることと存じます。皆さまの活動に最大限の敬意を表します。
以上、髙橋昌裕からのYELLでした。