Vol.47 組織風土・企業文化の変革をするには(2021.12.28)

目にする機会が増えてきた

今年(2021年)の半ばすぎまで、⾦融関係の紙誌には「DX」という単語が溢れていました。時には、業界紙のすべてのページに「DX」の文字があるのでは、という勢い(流⾏)だったのが印象に残っています。

年末となったいま、当時の「DX」ほどの露出には遠く及びませんが、「組織風土・企業文化の変革」について目にする機会が増えた感があります。発端の⼀つには、例のみずほ銀⾏の⼀件があるのでしょう。しかし、事故やトラブルが発生していなくても、⾃⾏の将来に向けて「守るべきものは守る。変えるべきものは変える」という決意をした銀⾏が増えているのは、⼼強いことです。

簡単に変わらないからこそ風土・文化

この決意を、いかに結実させるか。

言うまでもなく、「組織風土・企業文化の変革」を中計に掲げたとしても、それで変わるものではありません。「企業風土・文化を変えよう」とメッセージを出し続けたとしても、それでも変わりません。簡単に変わらないものだからこそ、風土・文化と言えるものにまで上り詰めています。

変えられるもの」を変え、「変わる」

ではどうすればいいのか。

私は、風土や文化といった「直接には変えられないもの」を変えるには、「直接、変えることができるもの」(⾒えるもの、聞こえるもの)を変え、徹底し、それらが積み上がっていった結果として、風土や文化が「変わる」ことが成功のストーリーだと考えます。

具体的には、風土・文化を変えたければ、「言動」と「仕組み」を変えることが大事です。特に、「言動」を変えるのはコストもかからず、誰でも、今からすぐにできるので、おススメします。

「言動」を変える

たとえば「チャレンジする風土へと変えたい」のであれば、「新しいことをやってみた︖」「どんなことに挑戦してみるつもり︖」「やってみたのか。すばらしい︕」といった言葉が、日々、組織のあちらこちらで飛び交うようにすることです。チャレンジが望む結果に至らなかったとしても「ナイスチャレンジだったよ」「次は上手くいくといいね」と、チャレンジの腰を折らないポジティブな言葉を投げかけます。上席⾃らもチャレンジする姿を⾒せていきます。

人は、10のポジティブな言葉よりも、1つの批判的な言葉に感情を持っていかれます。だからこそ、チャレンジを促す言葉が、組織内で「日常」的に、圧倒的な量で使われるようにまでします。

これが積み重ねられると、人の雰囲気も変わり、次第に「チャレンジする風土」に近づくでしょう。

「仕組み」を変える

内容によっては、「言動」だけでなく、「仕組み」を変えることも必要です。

先ほどの「チャレンジ」を例にとると、いくら言葉でポジティブなメッセージを発していても、「チャレンジがうまく⾏かなかったら人事考課でXをつけられる」「失敗に対して、懲罰人事と思える処遇があったらしい」ならば、チャレンジをためらうのは、組織人として当然の⾏動です。また、「チャレンジしなくても、Xがついていなければ昇進できる」ならば、チャレンジしないのが合理的な判断です。

風土・文化を作っている「仕組み」にも原因があるならば、「言動」と共に変えていかなければなりません。この2つを変え、積み重ねていくことで、ようやく風土・文化が変わっていきます。

日常的なものにする

「風土・文化の変革に、表彰制度は役に⽴つか︖」という質問を受けたことがあります。

「チャレンジ」の例で言うと、年に1回、チャレンジした人を表彰する制度を設けるイメージです。

この点について「ないよりは、やった方がいい。しかし、表彰だけでは風土・文化を変えるのは難しい」というのが私の考えです。

表彰は、特別な機会です。故に、「こういうことをして欲しい」というメッセージを伝える手段として極めて優れています。しかし、あくまでも「非日常」です。

それに対し、風土・文化は「日常」です。365日・すべての人についてまわるものになって、はじめて風土・文化と言えます。

表彰の前後だけ意識するのでは、時間も人数的な広がりも、まったく⾜りません。常日頃も意識する言動・仕組みがあったうえで、その集大成としての表彰制度の活⽤が、望ましいでしょう。

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ありたい姿の実現に向けた「組織風土・企業文化の変革」への挑戦を、⼼より応援しています。

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以上、髙橋昌裕からのYELLでした。